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柳原和子さんと「じあいネット」

2008-03-06

      ・・・・・・・・稲田陽子〈copyright by yoko inada 2008  この記事の転載・リンクは許可が必要です〉

 柳原和子さんの『がん患者学』という本を読んだのは、昨年の秋だった。柳原和子さんといえば、NHKのドキュメンタリー「百万回の永訣」という番組で、ご自身のガンとガン治療に真摯に向き合い、現代医療の最先端の治療を受けていた姿が印象に残っていた。その柳原さんの生命の記録ともいうべき『がん患者学』には、ご自身のいのちを人任せにすることなく、患者として医師にとことん詰め寄るほどの情熱で納得できる最善の治療を求めていく柳原さんの生き方が赤裸々に綴られていた。

 柳原さんは、昨年の秋に酒向先生をお招きして開催したこちらの「千島医学フォーラム」に来られるかもしれない…、そんな気配だったが、体調があまりよくないとのことで結局は見えられず、それ以後もあまりお元気そうではなかったようだ。そして今朝、夫から柳原さんのご逝去を聞かされた。

 じあいネットは、決して「駆け込み寺」ではないのだが、本当にさまざまな人々から相談の電話やメールが入る。柳原さんも、夫の『ガン呪縛を解く』を読まれたお一人として、じあいネットに参加申し込みをされた。そしてそのメッセージ欄には実に柳原さんらしいコメントが付いており、どうやら千島学説にも興味を持たれていたらしい。

 私は、NHKテレビが放映した「100万回の永訣」を見て、現代医療の最前線を追う柳原さんの生き様に壮絶なものを感じていたので、柳原さんのその書き込みには、正直驚きの気持ちもあった。とは言うものの、やはり抗がん剤治療から離れたいのが本音だったのでは?と、妙に納得する思いだった。そして、もし、千島学説的治癒のスイッチが「奇跡的に」入ったら、再び大きな希望に包まれるかもしれないと思った。
 
 抗がん剤治療が功を奏して、延命されたがん患者さんの多くは、医者から見放されるまでは何とか希望を持って人生を生きられるのに、それが一旦、医者に「もう治療方法がない」と見切りを付けられた瞬間から、治るための、いや生きるための拠り所を失ってしまうことも珍しくないという。そんなことから「藁にもすがる」思いで「拠り所」を探し始めることにもなるのかもしれない。

 多くのがん患者さんたちは、そんなときに、じあいネットにコンタクトされるのだろうか。しかし、じあいネットは、ガンの代替医療、それも千島学説に基づくと思われる代替医療の情報を提供することくらいしかできず、残念ながら、それ以上の期待に応えられるものではない。

 まして「ガンを治す」など、じあいネットの「お役目」ではない。ただ、千島医学に理解のある病院や、医師、またふさわしい代替医療の治療師やホメオパスの紹介などはできるだろう。その方が希望し、サポートがぜひ必要だと判断したときには付き添ったりすることも可能な限りするだろう。また、千島学説がどんなものなのかという情報の提供もできるだろう。夫のガンの代替医療ではどんなことをしているのかという情報もあげられるだろう。

 つまり、じあいネットの役割は、まったくのボランティア精神で、千島学説的「気・血・動の調和」につながる情報を提示することに尽きてしまうのである。これで精一杯ではないだろうかと、私は考えている。要は、こちらに相談される方が、何らかの気づきを体験され、自信と希望を取り戻し、いま現在幸せになることが大切だと思う。それが、ガン治癒への大きな基礎体力となるはずなのだから。

 私としては、「藁をもすがる思いで」こちらに来られる方は、やはりちょっと恐いような気がする。『ガン呪縛を解く』を書いたのだから、「じあいネット」をやっているのだから、夫が世の悩めるがん患者を救うのは当たり前だ、と、潜在的に思われていないだろうか・・・
〈そんなとき、私などは、夫もガンなのになぁ!と、思ってしまうのだが…〉

 話が横道に逸れてしまった。柳原さんのことは、ただただ残念な思いがしてならない。一方、そんな中にもご著書やテレビでの印象などから、柳原さんはあるいは後悔のない人生を送られたのではないだろうか、そしてこちらが思っている以上に豊かな人生だったのではなかったろうか…という気がしてくる。それだけ、ノンフィクション作家としての柳原さんの生き様は、強烈な印象を残しているようだ。

 ご冥福を衷心よりお祈りいたします。
 そして、いまは安らかであられますように・・・ 


その後の章恵ちゃん
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