終章「健康回帰の道しるべ」4
2007-04-16
健康回帰の道しるべ
赤血球や人体のいたるところに、細胞よりもはるかに微小な生命体ソマチッドが無数存在するという事実は、現代生物学や医学を根本から変革する威力を持っている。現代医学は細胞を生物の基礎単位とし、生命のメカニズムをDNAなど分子生物学から解明しようとしているが、化学反応がいかに細密に分析されようとも物質から生命へのジャンプは謎のままである。しかし量子真空の「波の場」の中で波動(情報)がソマチッドとして最初の生命分化の具体的な形態を現し、それがAFD現象により進化して赤血球、体細胞に成長していくと考えれば、物質から生命への過程の「失われた環」も見えてくるのではなかろうか。
千島が直感していたものはまさにそれだった。千島は生命進化のプロセスを発生論、進化論的に考察し、「超エネルギーの凝集→ エネルギー→ 素粒子→ 原子→ 分子」と考えていたが、そこに量子物理学とソマチッド理論等々を加えれば、「気」からソマチッド、そして「血」への進化プロセスと「気血一体」の重畳的構造が一段と鮮明になってくる。千島自らが言うように「千島学説はまだ荒削りの理論」ではあっても、千島没後の数多くの研究成果が、千島学説の正しさを裏付けてくれているようにぼくには思える。
さて、終章のテーマは「健康回帰の道しるべ」だが、「回帰」という以上は、まずその出発点(原郷=健康な自分)と、そこからここまでの道のりを知らなければならない。ガン患者から健康な自分に回帰するためには、まず何よりも帰り道の明快な道標が必要なのだ。それなくして不安と恐怖に突き動かされるまま、ただガムシャラに走ってしまっては、いつしか迷路やワナにはまり、やがて疲れ切って息絶えてしまうこともあるからだ。
それも「健康回帰の道」が分からないからであって、ガン患者たちは現代医学のガン治療マップが示す道を、医師たちの道案内を全面的に信頼して、ひたすら健康な自分に帰れる日を夢見ている。しかし、これまでに同じその道を歩いて行った多くのガン患者たちははたしてどうなったか。彼らの圧倒的多くが「原郷=健康な自分」への帰還ではなくて、悲しくも「死の墓標」へとたどり着いてしまったのではなかったか。
これに対して千島学説は、「帰るべき回帰の道」をはっきりと示してくれている。すなわち、ガンなどの病気の原因は異常血球・リンパ球が病変分化したものだから、健康回帰するには赤血球を健康な状態に戻せばいい。
「気」は量子真空世界の現れでもあり、意識や考え方、感情などが「血」に強く反映されてくる。それだけにストレスやトラウマは要注意で、その反対に何かで一気にジャンプして全身をコヒーレントな光で満たすことができるなら、強烈にプラシーボ反応が働いて「劇的な治癒」も起こりうる。そんな奇蹟めいたことは期待せずとも呼吸法やイメージ療法等々で気の調整が可能なら、それはプラシーボ反応を呼び起こし、当然血にも影響を与える。しかし気の効果にだけ頼るのは危険であり、やはり最も基本になるのは「血の健全化」であろう。そしてそれには血の素となる食を根本から正すこと、それに加えて血流を正常化するための「動」もまた重要なテーマになるだろう。
これを健康な自分への回帰の道の道標として示せば、「ガン→ 赤血球(→ ソマチッド)→ 食&気→ (電子→ )量子真空」ということになるだろう。これはガン組織が誕生するに至った逆の経路であり、だからこそ「回帰の道」と言えるのだ。といっても、自分で「回帰の道標」を確認することは難しい。赤血球もソマチッドも自分の目で見ることができず、もちろん「気」も「量子真空」もまるで幻の世界のようであるからだ。しかしその「回帰の道」には一つだけ、誰もが分かる確かな道標が立っている。それは血液を造る「腸」であり、腸の状態は便通や皮膚観察などを通して、誰もが比較的はっきり確認することができるのである。
胃相・腸相が悪いとガンになりやすい
なぜ、腸の状態が健康回帰の道標になりうるのか。そのワケを千島学説的に言えば、食べた物は胃腸に送られ、腸が血を造る場として機能しているからである。現代医学の定説では消化管を「食べ物を高分子程度に分解して吸収する化学工場」のように考えているが、千島学説では腸こそが造血臓器であるとする。すなわち、千島学説の腸造血説によれば、「小腸内で食べ物が無構造な有機物の塊(モネラ)を形成し、このモネラから小腸絨毛上皮細胞が新生し、その小腸絨毛上皮細胞から小さな赤血球をいくつか孕んだ赤血球母細胞が新生し、赤血球が造血される」のだ。
要するに、腸は造血臓器であり、健康な腸が健康な血と身体を造る。これが千島学説的な考え方であるが、このことを腸の観察によって実際に裏付けてくれているのが、ベストセラー『病気にならない生き方』(サンマーク出版刊)や『腸は語る』(弘文堂刊)などの著者、新谷弘実医師であろう。
新谷医師は1969年に世界で初めて大腸内視鏡「コロノスコープ」を使って大腸ポリープを切り取ることに成功し、世界から熱い脚光を浴びた外科医である。開腹手術をせずにポリープを切除するこの技術は、その当時世界で新谷医師ただ一人だけのものだったため、その腕はひっぱりだことなり、以来35年以上にわたって日本とアメリカで30万人以上の胃腸内視鏡検査を行ったキャリアを誇っている。その新谷医師が言う。
膨大な臨床結果から、私は「健康な人の胃腸は美しく、不健康な人の胃腸は美しくない」ということを教えられました。こうした胃腸内の状態を、私は「人相」になぞらえて「胃相」「腸相」と読んでいます。健康な人の胃相・腸相はよく、不健康な人の胃相・腸相は悪いということです。胃相・腸相にもっとも大きな影響を与えるのは、食歴と生活習慣です。英語には「Yuo are what you eat.」という格言があります。これは「あなたはあなたが何を食べているかで決まる」ということです。私たちの体は、日々の食事の積み重ねの結果であるということです。(『病気にならない生き方』)
30万人以上の胃腸内視鏡検査をしてきた新谷医師が得た結論は、胃腸が健康状態を正直に現しているということだった。そしてその「胃相・腸相を良くするのは食べ物だ」と。
この事実は、当たり前のことのように見えていて、実は千島学説の真実を物語ってくれている。食が血となり体を作る。しかもその造血の場は腸である。だから「胃相・腸相」が良い人は健康であり、「胃相・腸相」が悪いと血が劣化してガンが発症することもある。すなわち「腸」の状態が、健康回帰の一つの道標になっているとも言えるのである。
ところで腸相を良くするにはどんなものを食べたらいいのか。これに対して新谷医師は、世の中に流布する「健康の常識」や「健康神話」に強く警告を発している。詳しくは『病気にならない生き方』をお読みいただくとして、例えば、腸のために良いとされている市販のヨーグルトを常食していると腸相が悪くなる。また市販の牛乳を飲み続けているとそれは体内で「錆びた脂」となり、ある意味で「最悪の食べ物だ」とする。さらに妊娠中に母親が牛乳を飲むと、子供がアトピーやアレルギーなどを引き起こしやすくなり、白血病や糖尿病などの病気を発症する原因にもなるという。牛乳が骨粗鬆症を予防するのに役立つという常識も実は間違いで、牛乳の飲み過ぎこそが骨粗鬆症を招き、その証拠にアメリカやデンマークなど世界4大酪農国で股関節骨折と骨粗鬆症が多いのはそのためではないかと言う。
本来は健康にいいはずの牛乳や乳製品が、実際にはさまざまな問題を引き起こす。その理由は殺菌などの熱処理などにあり、それを解決しない限り乳産業に未来はない。そしてこの問題を解決するものとしていま「免疫牛乳・免疫ヨーグルト」などが浮上しており、これは量子論的な技術によって免疫活力を高めようとするものだ。フリッツ・アルバート・ポップが発見したように、健康な食べ物は光のコヒーレンスが高い。そして乳製品を含めた食べ物のコヒーレンスを高めるには、量子論的な技術が必要になってくるのである。
もちろん肉食にも強い警告を発し、たとえ食べても食べ物全体の10〜15%が限度とする。以上の内容は「自然食派」にとってはほぼ常識的な内容ではあるが、新谷医師の場合はそれが実際に30万例もの胃腸を見てきた結果の明快な結論であり、「胃相・腸相」と「病気にならない食べ方」の関係であるだけに、非常に強い説得力を持っているのではなかろうか。
新谷医師は、もちろんガン患者とその腸相についても述べている。「どんなガンを発病した人も、例外なく腸相が悪かった」そして「ガン患者の食歴では、動物食(肉や魚、卵や牛乳など動物性の食物)をたくさんとる傾向が強かった」と。たとえそうだったとしてもまだ決して遅くはない。「では、どうしたらいいのか」、これに対して新谷医師は次のように言う。
ひとことでいえば「ミラクル・エンザイム」を消耗しない生活を送るということです。「ミラクル・エンザイム」というのは、人間の生命活動を担っている5000種以上の「ボディ・エンザイム(体内酵素)」の原型となるエンザイムのことです。
エンザイム(酵素)というのは、生物の細胞内に作られるタンパク質性の触媒の総称で、植物でも動物でも、生命があるところには必ずエンザイムが存在しています。
私たちの健康は、日常何気なく行なっているさまざまな行為に支えられています。食事、水補給、運動、休養、睡眠、精神状態、――こうしたもののどれか一つにでも問題が生じれば、その影響は体全体におよびます。そんな人体の複雑なつながりを担い、健康に生きるために必要な恒常性を保つ役目を果たしているのが、ミラクル・エンザイムであると考えています。
そこで「新谷食事健康法」では、穀物と野菜中心の食事をし、肉、魚、乳製品、卵などの動物性の食物はなるべく少なくするように勧めている。しかも少食を…。新谷食事健康法のその効果は素晴らしいもので、新谷医師が治療したガン患者のガン再発率は「ゼロ%といえるほどになった」という。この事実も、千島学説の「食→ (腸→ )血→ 体細胞」という健全な分化が促されたことを意味しているのではなかろうか。
病院のガン治療で完治したという話も多く聞く。そしてそれは「現代医学のガン治療に効果があった」という文脈で語られることが多いが、ぼくはそれを次のように解釈している。
確かに現代医療のガン治療は、緊急施術としては奏功したにちがいないが、ガンを真の治癒に導いたものは、その人が本来持っていた治癒力そのものであり、それも治療後に食を正したり、治癒力を高める何かを続けていたからではなかったのか。またそこには、退院できた喜びや、新たな人生への希望などから「気」が高まったこともあったにちがいない。つまり「気血の改善」こそがガン治癒の真のパワーであり、決して手術や抗ガン剤や放射線照射がガンを完治させたのではない、と…。その証拠に、いったんガンが治ったとはいっても、食や気が乱れたままならばやがて再発し、あるいは転移するといったケースが実に多い。しかし新谷食事健康法が示すように、食さえ改善すれば再発率がゼロに近くなってしまうのだ。
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