第3章「されどガンを侮らず」6
2007-04-15
「気血」の正常化を目指して
ぼくが足もみによる「気血循環」にトライしたもう一つの理由は、それが千島学説にも深く合致するからである。千島学説については次章で触れることにしたいが、ガンはそれ自体が恐いのではなく、そこに気血の異常が現れているからこそ無視できない。そしてその異常を修復するには「気血の正常化」を促さなければならない。
ガンに対するこのような見方は、現代医学からすれば「とんでもない噴飯もの」と笑い飛ばされ侮蔑されるであろうが、千島博士は特に「血液」に関する画期的な学説と数多くの観察データを提示することにより、血液の重要さを訴えた。ただ千島学説はあくまでも医学理論であって、臨床での具体的な治癒方法を示したものではない。
しかしその理論さえ理解できれば治癒方法もおのずから導き出され、ちなみに断食によるガン治療が医師の指導のもとで行われていたりもする。実際、断食でガンが治癒した事例も数多く、また「足もみ」だけでも驚くほどの効果が出ていることを知らされたが、それもきちんとした医学学説(千島学説)に裏付けられてのものなのだ。というわけで、千島学説を実証するためにもと、ぼくは「足もみ」にトライしたのだった。そしてそんな願いに鈴木さんもしっかりと応えてくれた。
本書は「若石健康法&鈴足法」が主題ではないので詳しいことは省かざるをえないが、その後の「足もみ」でも楽しい発見、嬉しい兆候に次々と恵まれた。鈴木さんが他の患者にぼくのことを「この人、乳ガンです」と紹介することもあって、乳ガン患者3人が横一列に並んで「ガン論議」に花を咲かせたこともあった。もちろんぼく以外はご婦人である。「たかが足もみ」でありながら、「されど足もみ」であり、足もみが不思議なくらい自己治癒力を高めてくれることを、こうしてぼくはその治療院で体験することができたのである。
「若石健康法」については新たに別の本を書きたいくらいだが、ぼく自身が目撃した「されど足もみ」の、目を見張る事例を一つだけ紹介しておきたい。それは、ぼくにこの治療院を紹介してくれた写真家の友人のケースで、半年前の健康診断の時の病的なデータが、わずか1ヶ月の集中的な足もみですっかり大きく変わってしまったのだ。実際、「足もみ一ヶ月後」に実施したという検査結果を見せてもらったところ、血糖値をはじめすべての病的な数値がめでたくきれいに正常化していた。その人とは何度か治療院で顔を合わせたのだが、最初のころの顔つきや体つきが、一ヶ月後には見違えるように変わっていた。顔も体も凛々しく引き締まって、高々一ヶ月の集中治療でありながら体重も8.5キロ減になったらしい。
「論より証拠」とはよく言ったもので、「ビフォーアフター」には威力がある。いくら能書きをたれても「証拠」がなければうさん臭く思えてしまうが、「見た目」と数値がこれだけはっきり違ってくると、それが何にもましての証拠となる。そしてその「証拠」はその人の職場や友人たちに対して大きくものをいったらしく、その後同僚や紹介された人たちが次々と治療院を訪れてきた。
ぼくの場合の「アフター」は、いったいどんなふうになるのだろう。3.5×2.5センチの乳ガンは、果たして縮小して消えてくれるだろうか。それを見届けることができればハッピーだが、それまでにはいろいろな現象が現れてくることだろう。ぼくの場合は、まずその「治癒反応」を確認することである。
全身が見事な「湿疹の花畑」と化す
「足もみ」を機に、その直後から驚くほどの治癒反応(好転反応)が噴出した。どうやら糖質栄養素や微量ミネラル等による内部環境対策と、足もみ整体による外からの痛快な刺激が爆発的に相乗したらしい。特にそれがはっきりと現れ出たのは足もみ整体2回目以降のことで、6月からの1ヶ月以上にわたって、ぼくの体は全身が見事な「湿疹の花畑」と化した。
湿疹といえば、ぼくが生まれて初めて病院に入院したのは湿疹に襲われたからだった。それは2000年の夏のこと、有珠山が噴火して周辺の住民が苦しんでいるのを知り、激励のために小野田寛郎夫妻を現地に案内したときに、なぜか体に突然湿疹が噴き出したのである。
有珠山噴火見舞いのときはまだ予感的なものにすぎなかったその湿疹が、その後急激に全身に広がっていった。それはもうあまりにも酷い状態で、痒くて痛くてたまらない。掻けばさらに痛みと痒さが増し、ぼくはまるで旧約聖書のヨブのようにもがき苦しんだ。そしてついに入院せざるをえない状態にまで追い込まれたのである。
病院治療では、毎日毎日全身にステロイド剤が塗り続けられた。ステロイド剤は皮膚病治療に飛躍的な効果をもたらしたと言われる薬剤だが、効果があるぶん副作用も大きい。それも時間を経て副作用が複雑に現れてくると言われていただけに、ぼくとしてはステロイド剤を使いたくはなかったが、いざ病院に駆け込んだ以上は医師の治療に従わざるをえなかった。
病院でのステロイド剤治療によって湿疹の苦しみからは解放されたものの、それは症状を体の深部に抑え込んだにすぎなかった。湿疹が突然噴き出したのにはそれなりの理由があったわけだから、本当はそれを見つけ出して原因の除去解消に努めるべきだったと思う。しかしそのときはあまりもの痛みと痒さに耐えかねて、対症療法的なステロイド剤治療に身を委ねてしまったのである。そんな苦い経験があったこともあり、「足もみ整体」を機に全身に一気に湿疹が噴き出したとき、今度ばかりはそれを外に出し切ろうと心がけた。というのも、湿疹もまたある意味での治癒症状であり、内なる異常を外にすっかり吐き出してこそ、本来の健康体に帰り着くことができると考えたからである。
とは言っても、ひどい痒さと痛さに耐えるのは大変なことで、何とかそれを昇華できる方法はないものかと思案した。そんななか、友人にもらったグラファイトシリカを痛痒い部分にあてがうや、ひどい痛痒さがやがて穏やかに鎮まることに気がついた。グラファイトシリカというのは北海道の上の国という町で採掘されている真っ黒な岩石で、いまや岩盤浴などに盛んに利用されており、なるほどそこには不思議なパワーが潜んでいる。ただ、この方法では全身を同時に癒すことができず時間もかかるため、もっと簡単な方法はないものかといろいろ試してみることにした。
その結果、熱いシャワーを浴びると痛痒さがひときわ鮮明化し、思わず「ううーんっ」と唸らざるをえないほどの鈍く重々しい苦しみの感覚に襲われるものの、それにじっと耐えて越えると不思議なくらいに痛痒さが消え去って、爽快な気分になれることを発見した。
シャワーなら、温度調節も思いのままだし、体のどこにでも自由に浴びせ掛けることができる。ただ問題は、痛痒さが消えていてくれる時間に限りがあるために、再びたまらなく痛痒さを感じたらまた風呂場に駆け込まなければならない。しかしそれくらいのことはおやすい御用ということで、ぼくは一日に何度も風呂場に駆け込むことにより、湿疹の痛痒さを熱いシャワーとグラファイトシリカで越えていった。
こんなことを医師に話したら、それこそ笑われ、呆れ返られるばかりでなく、「危険なことをしちゃいけないよ」とむしろ本気で心配されたことだろう。しかしぼくの体は、湿疹が噴き出ることの意味をちゃんと知っていた。実際、熱いシャワーの痛快感は全身にはっきりと心地よさを蘇らせてくれたし、やがて湿疹も徐々に消えていったのである。
それにしても、いきなり全身が湿疹の嵐に襲われたのは驚きだった。湿疹はガンのある右半身に特に激しく現れ出たし、顔ではその反対側の左目周辺が厚ぼったく腫れ上がり、目が開けられなくなるほどまでになったりした。神経系統は首を境に左右交差しているが、湿疹や腫れなどの現れ出方を見ると、なるほどなぁと思わず合点させられたものである。もちろんガン部分とリンクしている右足の一部やくるぶしの上位も、熱いシャワーを浴びるとくっきり赤く浮き出してくる。体全身はまぎれもなくリンクし合い、それぞれに反応し合い、刺激を与え合っているのである。
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