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シックハウスに悩んでいませんか?

知らない間に有害化学物質が体をむしばんでいる

 健康と安全を守ってくれるはずの住宅が、逆に深刻な病気や精神障害などの原因となっています。それがいわゆる「シックハウス」や「シックスクール」であり、そして、汚染された住宅や環境の犠牲者が「化学物質過敏症患者」です。
 いったいなぜ、こうしたことが起こっているのでしょうか。
 それは、私たちの暮らしや社会が膨大な化学物質にすっかり取り囲まれているからで、人間がこれまでに作り出してきた化学物質はなんと一六〇〇万種類以上、さらに毎日四千種類もの新しい化学物質が次々と誕生し、薬品や食品、衣料、建材などさまざまな分野で広く利用されるに至っています。
 その意味で私たちの暮らしはまさに「化学物質づけ」…。もちろんそれは豊かさや便利さ、快適さ、経済性等々の画期的な貢献もしてくれましたが、その一方で化学物質がもたらす公害、薬害、発がん性、過敏症、生殖機能異常、地球環境への影響等の害も大きな社会問題になってきました。

20世紀病・環境病

 化学物質過敏症は一九五一年に米国で初めて発見され、別名「20世紀病」「環境病」とも呼ばれています。これは、
「大量の化学物質にさらされたり、微量の化学物質に長期間曝露(さらされること)された後に起きる化学物質に対する過敏反応」と定義されていますが、私たちの暮らしが「化学物質づけ」になっている以上は、誰もが注意しなければならない病気と言えるでしょう。
 ただ、同じ環境に住んでいる家族でも、過敏に反応する人と全く反応しない人がでてくるため、家庭内の化学物質が原因だと認識することが難しく、病気と化学物質の害の関係が分からないままに、喘息やアレルギーなどで悩んでいるケースもかなり多いようです。
 しかし原因が良く分からない体調不良は、まず化学物質の害を疑って見ることが必要です。というのも私たちは化学物質の害に全く気づかないまま、化学物質過敏症になっていることが多いからです。一説では日本国民の約一割がこの病に冒され、このほか、かなりの潜在患者や予備軍がいると専門医たちは推測しています。

その症状は?

 化学物質にさらされると、いったいどんな症状が起きるのでしょうか。資料には、以下のような症状が指摘されています。
 目のチカチカ・目のかゆみ・なみだ目・視力低下・視野狭窄・のどの痛み・のどの詰まり・吐き気・息苦しい(肺機能障害)・せき・こめかみに圧迫感・頭痛・めまい・ふらつき・耳鳴り・聴覚異常・疼痛・筋力低下・筋肉痛・関節痛・腰痛・腹痛・下痢・あくび・空気不足感・イライラ・動悸・倦怠感・慢性疲労・不眠・不安・うつ症状・舌のしびれ・味覚異常・感覚異常・発汗異常・ほてり・手足のしびれ・手足の冷え・皮膚の発疹(湿疹)・かゆみ・アレルギー症状の悪化…等々

害毒はどこから侵入?

 ところで有害な化学物質はいったいどこから体内に入るのでしょうか。それには大きく分けて「皮膚から・口から・呼吸から」の三つの経路があり、中でも汚染された空気を呼吸で取り込むのが最も深刻です。
 ちなみに「皮膚から」(医薬品、合成洗剤、化粧品、水道水の汚染物質など)の侵入を1とすると、「口から」の侵入(食物や水など)は10倍、しかし「呼吸(空気)から」の侵入は30倍もあり、しかも有害化学物質は直接肺から血管内に入ってきますから危険です。

精神・神経・行動障害も

 さてシックハウス。住宅の建材には有害な化学物質がたくさん使われていますが、その有害性はあまり知られていません。しかし健康を守るためには、事実を事実として正しく知り、きちんと対策をしなければなりません。特に近年の住宅は気密性が高いだけに、室内の空気汚染には注意する必要があり、暖房で有毒ガスが発生しやすい冬季間は、一層の注意を払うべきでしょう。
 化学物質の害の怖さは単に体の健康問題だけに限らず、それは呼吸によって肺から血管へ、さらに脳に直接影響を与えるだけに、精神・神経・行動障害も引き起こします。
 ちなみにこの病気の先進国アメリカの公立学校の調査では、子供たちの注意力が散漫になり、苛立ちやさまざまな身体症状、非行、攻撃性が高くなると報告されています。
 またオーストラリアのギャレット博士の「室内環境と子供の喘息の関係」を調査した研究では、ホルムアルデヒド濃度が40ppbを越える住宅に住む子供に、喘息やアトピーが多いことが明らかにされています。
 こうした事実考えるとき、シックハウスやシックスクールは、非常に深刻な問題をはらんでいるとは言えないでしょうか。

『エコろじー』が足踏みしたワケ

 「エコろじー」の読者から一本の電話が入ったことがきっかけとなり、有害化学物質に汚染されたシックハウス、シックスクール、シックビルディングの怖さを改めて知りました。
 そこで、その段階から意欲的にさまざまな取材を開始し、12月発行予定の「エコろじー」の特集はこの問題で行こうと決めていたのですが、取材を進めていく過程で、なんとスタッフたちの多くが「ミイラ取りがミイラに」なってしまいました。
 つまり、白アリ駆除剤の被害で苦しんでいるある読者の家を何度か訪問するうちに、ものすごいその毒ガスにやられて、ついに緊急入院、そして手術をするはめになってしまったのです。(二人が緊急手術、他にスタッフなどの六人も巻き込まれて体調の不調を訴えました)
 有害化学物質と化学物質過敏症の問題は単に白アリ駆除業者だけの問題ではなく、建築業界や各種メーカー、さらに言えば現代の価値観や社会システム全体にまで波及する、非常に深刻で重大な問題です。
 そのため、「エコろじー」紙で部分的に問題提起するだけでは、本当の解決を見ることができません。それどころか圧力に押し潰されてしまうこともありえます。そこで、十分な準備体制を整えるためにそれなりの時間が必要となり、発行を遅らさざるをえませんでした。
 ここではシックハウスに関するほんの概要をお伝えするに留めましたが、次号では特集で大きくレポートします。この問題に関する情報などがありましたら、お気軽にご連絡下さい。なお、こうした「簡易版」も含め、今後は月に数回は発行していきたいと考えています。

MEMO
私たちは子供たちの将来のためにも「これ以上環境をおかしくしてはいけない」と考えて、この「エコろじー」の発行に踏み切りました。
そして創刊号をお配りした直後、化学物質の害毒の恐ろしさを、身に沁みて体験することになってしまいました。実際に被害に遭ってみて痛感したことは、21世紀的なエコシステムを創造していく前に、20世紀の社会がまき散らしてきたひどい「汚染」を、まず解決しなければならないということでした。それには「事実」を知ることが必要です。その意味で読者から寄せられた訴えと、自らが実際に体験したことは、非常に大きな力となっています。
あまりにも深刻な化学物質の害を理解するようになったためか、北海道でも新年度から「実態調査」を始めることになりました。これは「道内二六カ所の道立保健所が、一般住宅の汚染濃度測定や健康相談に乗り出す」というものですが、問題はその「解決策」が不透明ということです。つまり、化学物質過敏症患者には「安全な逃げ場」がありません。そこで「エコろじー」では、いま「エコろじー村」建設構想も温め始めています。これについては次号の「エコろじー」で詳しくレポートします。

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